「欧米近代白人文明」は終わり(副島)、世界は「金本位制」へ(田中) [現状把握]
副島隆彦氏と田中宇氏が時を同じくして「時代の大転換」を告げる。
副島氏:アメリカの法律による「ロシア国立銀行の資産(外貨準備高)の400億ドル(5兆円ぐらい)の強制没収」に対して、日本はギリギリのところで踏ん張った。アメリカの所業は《近代資本主義(モデルネ・カピタリスムス)の原理である、個人財産権 property right プロパティ・ライトを侵害》だった。《やってはいけないことをやった。故に、500年間の欧米近代白人文明は、この日を限りに終わった。》このことによって、《以後は、アジア、アフリカ、中南米の実物資産(金=きん=がその王者)を裏打ちとする、新しい世界通貨体制に移行》せざるを得なくなる。
田中氏:《4月29日、ロシア政府が「金資源本位制」の導入を正式に検討していることを、大統領広報官が明らかにした。》いずれ、《非米諸国の全体で、ドルやユーロはしだいに使われなくなっていく。非ドル新体制への移行期間は2-3年ぐらいか。その間、ウクライナ戦争(の演出、誇張)がずっと続く。どこかの時点でQE終了の効果が出て米国が金融崩壊すると、ドルの基軸制が崩れて非ドル化が急進し、米国覇権が消失して米国側の結束が崩れる。いずれ日本もロシアや中国への敵視をやめて非米側に鞍替えし、中露との貿易が円建てになる。その前に日本は、米国の中国敵視強化に巻き込まれていったん破綻させられるかもしれない》。そのあと、「異様な円安の進行容認は、自滅策の先取りかもしれない」と深読みする。
二人の文章から、日本は日本で、歴史的大転換の荒波に呑み込まれぬよう、必死で泳ぎ切ろうとするさまが見えてくる。
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