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ワクチン購入のムダに、会計検査院がメス [コロナ危機]

昨日の山形新聞、一面トップ「ワクチン接種 「8億回」根拠不十分 会計検査院指摘」の見出しに驚きました。「国挙げてのなあなあ」と思っていたが必ずしもそうではない。

3月議会の予算委員会でのワクチン接種についてのやりとりを整理してみました。市長答弁は、ワクチンの効果やワクチンの害は二の次で、「我々国民の納めた税金が無駄にならないように今後とも接種率を上げてまいりたい」というものでした。「「あの時あげなふうにゆったでら」などとは絶対言わないから、おかしいと思ったときには、すぐ方向転換できるようによろしくお願いします。」と言うしかありませんでした。

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《高岡》新型コロナワクチン接種対策事業費について、ワクチン接種委託料が57952000円になってることの根拠をお願いします。

《ワクチン接種対策主幹》5年度につきましては皆さん1回分の接種ができるようにということで予算化をさせていただいた金額となってございます。

《高岡》市民全員が1回分の予算がこの金額ということですか。

《ワクチン接種対策主幹》この金額につきましては大体14000回分の接種の回数を見込んでの委託料の金額を上げさせていただいております。

《高岡》4年度までで、ワクチンというのはまるっきり国の方から無償で提供になると思うんですけども、それが何回分提供なって、それが何回分使用されて、そして仮に破棄になったものがあるとすれば、その数を教えてください。

《ワクチン接種対策主幹》モデルナのワクチンを廃棄したわけなんですけれども、約5600人分となってございます。

《高岡》最初の頃低温での保存ということが言われていたわけですけれども、その低温保存というのはいつまでそういう形でなされている現状はどういうふうな形になってますか。

《ワクチン接種対策主幹》ワクチンにつきましてはファイザーのワクチンですとマイナス70度、モデルナのワクチンですとマイナス20度ということで、冷凍庫の方が国の方から支給されておりますので、そちらの冷凍庫で現在も当初から同じ形で保存させていただいております。

《高岡》そのワクチンの使用期限っていうのはどういうふうになってますか。

《ワクチン接種対策主幹》配達されるクールごとによって保管期間が違っております。でファイザーのワクチンになりますと18ヶ月ということで使用期間が延びているというような状況もございましてモデルナの方は9ヶ月になって保管しております。

《高岡》国の予算を調べると、8.8億回分を国の方で仕入れて、そのうち3.8億回分は使用なっているけれども、5億回分が余っている。金額にすると14000億円のワクチンが無駄になってるっていう状況の中で、南陽市の場合5600回分が無駄になっている。5歳から11歳までの接種率の高い山形県秋田県ほどこの年齢の感染率も高いという恐ろしい結果が出たりしている。そういったことも踏まえて、今後ワクチン接種について考慮していく必要があるのではないかと考えるワクチン主幹としてはどう考えるか。

《ワクチン接種対策主幹》私どもといたしましては国からの指示の通りに業務の方進めてまいるということにはなるわけですけれども、現在大変コロナの感染者の方も少なくなっているという状況の中でワクチンの接種の希望される方も現在は落ち着いているという状況ではございますけれども、今後の春接種または秋接種に向けてどのような状況に変わるかということもございますので、国からの情報をいただきながらスムーズに今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。

《高岡》昨日参議院の予算委員会もワクチン被害について取り上げられるようになっている。いろんな形で今後問題になってきつつある。そういった中で実際にワクチンを扱ってる現場、そういったところでの判断が非常に今後大事になってくると思いますんで、ワクチン主幹並びにすこやかの課の方でも、国の指示ということで立場上いろんなやむを得ないところはあるわけですけれども、その辺、現場の感覚っていうものを大事にしながら、今後のコロナ対策を考えて欲しい。私もコロナに罹ったけれども、あの程度か、ということで、2類から5類に58日になるわけですけども、そういったふうなこともあるんで、本当に現場をしっかり見ながら今後対応していっていただきたい。この件に関して市長の考えは。

《市長》先ほどから委員がご指摘の国費が無駄になっている部分というのは、国民が希望する方が全員接種できるようにいいという趣旨において政府で調達の努力をして揃えたものでございますのでその努力が無駄にならないように、我々国民の納めた税金が無駄にならないように今後とも接種率を上げてまいりたいというふうに思いますので委員からもそういった趣旨でご協力を賜ればというふうに思います。

《高岡》実際にワクチン接種をした国ほど、コロナ感染者が多いというのは世界的にもう実証されている。日本は今の市長のようなお考えのもとに、どんどんどんどん突き進んでいるわけですけれども、世界全体の動きを見たときには、今の市長のお考えは明らかに逆行している。「あの時あげなふうにゆったでら」などとは絶対言わないから、おかしいと思ったときには、すぐ方向転換できるようによろしくお願いします。

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以下は日経記事です。

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コロナワクチン8.8億回分の根拠「不十分」 会計検査院

(更新)

会計検査院が新型コロナウイルスのワクチン接種事業を調べたところ、厚生労働省が8億8200万回分を確保する際に作成した資料に数量の算定根拠が十分に記載されていなかったことが29日、分かった。検査院は数量が妥当だったかの判断は示さなかった。その上で確保量に不確定要素がある物資を緊急で調達する場合でも、事後に過程を検証できる仕組みが必要と指摘した。

同省はワクチンを巡るメーカーとの詳細な交渉過程や単価、返金額などを「守秘義務が課されている」などとして公表していない。検査院の調査には「世界中でワクチンの獲得競争が続いていた。国民が速やかにワクチンを接種できるよう、開発失敗などを含めたあらゆる可能性を視野に入れて確保に努めた」と説明した。

検査院は「調達量の算定根拠が分からない以上、実際に廃棄やキャンセルが発生したとしても、それが適切なのかどうかも評価ができない」とし、予算の無駄遣いがあったかどうかは示さなかった。

国は感染拡大や患者の重症化を防ぐためにワクチンの確保を進め、都道府県などを通じて全国の接種会場に配布した。2022年3月末時点で人口の約8割が1、2回目の接種を完了し、41.4%が3回目を打ち終えた。

検査院は20〜21年度に厚労省やデジタル庁などが予算計上したワクチンの確保、管理、配布などの事業の執行状況を調査した。

厚労省は22年3月末までに8億8200万回分を確保する契約を結んだ。内訳は米ファイザーが3億9900万回分、米モデルナが2億1300万回分、英アストラゼネカが1億2000万回分、米ノババックスの技術移管を受けた武田薬品工業が1億5000万回分だった。

検査院によると、同省はシミュレーションをして確保数を決めたと説明した。しかし各メーカーからの調達量を決める際に作成した資料や契約関係の書類には、計算式などの根拠が十分に記されていなかった。

検査院は「確保した数量が過大であれば、キャンセル料の支払いや廃棄などで不経済な事態が発生しかねない。算定根拠を確認できない状況は適切ではない」と指摘した。

検査院はメーカーへの返品対応も調べた。国が受け取る返金額について「厚労省は金額の妥当性を確認していなかった」と指摘した。例えばアストラゼネカとは同社が示した返金額をそのまま受け入れていたとみられる。同省は検査院の調査が入った後に返金額の算定理由を示す文書の提出を同社に求めたという。

佐々木信夫・中央大名誉教授(行政学)は「緊急時の事業とはいえ、多額の国費を投入して余剰や無駄が生まれたならば、国には問題が生じた理由を説明し、国民の疑問を解消する責任がある。国会に特別委員会などを設置し、当時の対応を検証する必要もある」と話している。

厚労省の担当者は取材に「(算定根拠について)説明不足だった。今後、ワクチンの確保を検討する際には、検査院の指摘をふまえ算定根拠を示す資料を作成する。返金額が適切かどうかも確認する」と話した。

ほかに検査院はワクチンの在庫管理で厚労省がメーカー側の倉庫にどの程度の在庫があるかをリアルタイムに把握していなかったことを指摘した。デジタル庁が運用するワクチンの接種記録システムで、接種券の情報を誤って読み取る事例が頻発したことを受けての改善も求めた。

検査院によると、20〜21年度のワクチン接種に関する事業で支出された国費は計4兆2026億円に上った。予備費などを合わせた予算額は6兆1361億円で、執行率は68.4%だった。21年度時点で、次年度以降に繰り越した「繰越額」は8154億円、使わなかった「不用額」は663億円に上った。

廃棄とキャンセル、全体の3割に 厚労省公表

会計検査院によると、新型コロナウイルスのワクチンの国内の接種実績は2023年1月末時点で約3億7900万回分に上った。

一方、有効期限切れによる廃棄や、需要減によるキャンセルも相次いだ。厚生労働省は使用が終了したモデルナ製などの廃棄・キャンセル量を約2億8000万回分としており、21年度までに確保した8億8200万回分の3割が使われなかったことが判明している。

内訳は廃棄がモデルナ製で約6390万回分(自治体による見込み数を含む)、アストラゼネカ製で約1350万回分生じた。キャンセルもアストラゼネカ製で約6230万回分、ノババックス製で約1億4176万回分あった。使用が終わっていないファイザー製などの廃棄や返品は未公表で、総数はさらに多くなる可能性がある。

(札内僚、高橋彩)

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません

  • 上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
分析・考察

「ワクチン調達量の算定根拠が分からない」→「廃棄・キャンセル発生があってもそれが適切か(やむを得ないか)は評価できない」として、会計検査院は予算の無駄遣いがあったかどうかという判断に踏み込まなかった。ロジカルに詰めればそういうことにせざるを得ないのだろう。しかし、エコノミストである筆者が最も驚かされたのは、ワクチンの在庫管理がなされていなかった点である。製薬会社が報告してきた納入量から、厚労省から自治体への配布量を差し引けば、在庫がどの程度あるかを把握することは可能という。しかし、そうした行動がとられないまま、ワクチンの追加調達が行われていったとすれば、無駄遣いがあったという疑念は拭えない。


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