この時代どう対処するか [mespesado理論]
[3528]ついに、世界大恐慌への道筋が見えた。
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投稿者:副島隆彦
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投稿日:2023-03-13 21:13:23 | ||
副島隆彦です。今日は、2023年3月13日(月) で 今、午後9時 です。
私は、自分の肚(はら)を決めて、今こそ、はっきりと書かなければいけない。遂(つい)に始まった米国の金融崩れ のことである。 私は、アメリカで現地 3月10日(金)の午前に起きた、シリコン・ヴァレー・バンクSVBの破綻( demise デマイズ)を知ってから、情勢をずっと凝視し分析していた。 今回の事態が、世界大恐慌 に突入するのは、もう少し先だ。4か月余 ぐらい先だ。だから、7月、あるいは8月になるだろう。 今の危機は、なんとかアメリカ政府が押さえ込むだろう。だが、そのあとに、本当のNYの金融大暴落が来る。そして世界大恐慌への突入となる。そのために、私たち日本人は、今から真剣に準備しなければいけない。 アメリカ合衆国は、これで国家財政(ファイナンス)も破綻し、NY(ニューヨーク)の金融市場での恐慌 が起きて、国民経済全体が景気後退(リセッション)となる。このことは確実だ。もう避けられない。そしてそれが、世界中に波及する。これは、人類史の歴史的な動きである。 アメリカの「 ドル覇権の崩壊 」 the Collapse of US Dollar Hegemony 「ザ・コラプス・オブ・ダラー・ヘジェモニー」である。それが、来年、2024年に迫っている。 私、副島隆彦が、これまで 執拗に、自分の近年の本たちに書いてきた通りだ。 以下の画像のとおり、明らかに、銀行取り付け騒ぎ bank running バンク・ラニング、すなわち、自分の預金を引き下ろそうとする人たちの列(run ラン)が銀行の前に起きている。 First Republic Bank customers in Los Angeles spending their Saturday lined up to withdraw money following the collapse of Silicon Valley Bank シリコンバレー銀行破綻後、ロサンゼルスのファーストリパブリック銀行の顧客は、土曜日はお金を引き出すために並んで過ごしている There had been fears following SVB's demise for First Republic's future when analysts pointed out the similarities between the estimated value of their assets versus the actual value SVBの破綻後、アナリストがFirst Republicの資産価値と実際の価値との類似性を指摘し、First Republicの将来が心配されていた。 副島隆彦です。今回の 3月10日からのSVB破綻 で、これが他のカリフォルニア州の地方銀行たちへの波及で、連鎖破綻するのは10行ぐらいだろう。それで、一旦は、止まる。SVBと同時に破綻したシグネチャー・バンク(NY州) の他に、ファースト・リパブリック・バンクと、パックウエスト・バンコープなどだ。 今回の金融危機は、3月12日(日)の政府の緊急会合で、SVBの預金のすべてを、連邦政府(米財務省とFRBとFDIC 連邦預金保険機構 の3者で)が、緊急の融資( 米国債を担保にして資金を市場から調達する)を行うことで、救済する、と、発表した。 それまでは、イエレン財務長官は、「SVBの 株主と 債権者は救済しない。公的資金の投入はしない」と明言した。 小口の預金者たちは、ペイオフ( 預金者ひとり 25万ドル。3000万円。日本は、これが1千万円だ ) だけが救済される。イエレン財務長官は、自分の甘い判断を、血相を変えて、撤回した。 それ以外の、SVB銀行の、残りの 総額1500億ドル(18兆円)のテック企業や、スタートアップ企業が、SVBからの融資の見返りに積んでいた、拘束性の預金は、救済されない。 これらの企業預金は、 いわゆる 「分(ぶ)積み、両建て」であって、企業の経営者たちは、SVBのステイク・ホルダー(利害関係人)だから、アメリカ政府は救済しない、と決めた。ところが、それではとても事態は収まらないと分かった。現状はますます深刻さを増している。 中小の テック企業たちは、通常の銀行融資(ローン)のほかに、ハイリスク・ハイリターンの、年率12%とかの、高い危険な ボロくず債券、即ち、ジャンク・ボンド(債)を発行して、それを、このSVBや、VC(ベンチャー・キャピタル)に、引き受け(買い取り)してもらっている。 この 高危険債の、極めて低(てい)信用の ボログズ債である、ジャンク債(ボンド)全体が、今、NYの債券市場で、恐ろしく危険な事態になっている。 もう年率20%のハイイールド(高利回りの約束)債券を発行しても、もう、誰も引き受ける者はいない。これが、金融核(かく)爆弾の破裂 となる。 そして、中国と日本とサウジアラビアが持っている、巨額の米国債である。これに飛び火したら、もう、アメリカの金融は、ひとたまりもない。まさしくアメリカ帝国の終わりだ。 それでも、アメリカ国民は、1ドル=10円とかに大暴落したドルと共に、生きて行く。 もう、インチキの 「グレート・リセット」を囃(はや)した、コロナ・パンデミック、ワクチンでの人殺しも、ウクライナ戦争の仕掛けによる、大きな人類騙(だま)しも、通用しなくなった。 |
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以上、副島氏の最新発言です。《今回の事態が、世界大恐慌 に突入するのは、もう少し先だ。4か月余 ぐらい先だ。だから、7月、あるいは8月になるだろう。/今の危機は、なんとかアメリカ政府が押さえ込むだろう。だが、そのあとに、本当のNYの金融大暴落が来る。そして世界大恐慌への突入となる。そのために、私たち日本人は、今から真剣に準備しなければいけない。/アメリカ合衆国は、これで国家財政(ファイナンス)も破綻し、NY(ニューヨーク)の金融市場での恐慌 が起きて、国民経済全体が景気後退(リセッション)となる。このことは確実だ。もう避けられない。そしてそれが、世界中に波及する。これは、人類史の歴史的な動きである。》
つい目先のバタバタに翻弄されがちですが、こんな時のmespesadoさん、あくまで原理に遡って考えます。そしての結論、《「オカネとは実はそもそもがペテンである」という事実を知っておけば、気持ちがかなり楽になります。何事もそうですが、現実の危機や理不尽が解消していなくても、そのカラクリがわかってしまえば気分が楽になる、というのが人間の心理というものだそうですから、今回のような「金融危機」もそういったノリで乗り切って行こうじゃありませんか。》納得です。それでいいのだ。
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311 名前:mespesado 2023/03/13 (Mon) 17:55:47
シリコンバレー銀行(SVB)の預金取り付け騒ぎ…。
及川さんの動画でも
2023.3.12【米国】続報:シリコンバレー銀行破綻の次は?
【及川幸久-BREAKING-】
https://www.youtube.com/watch?v=Kx446wV0edI
として、この事件が他の銀行にも波及するのか、それともSVB固有の話かという解説をされていましたが、そもそも論として、この「預金者の取り付け騒ぎ」という事象自体が金融の壮大なペテンに過ぎないんですね。どういうことか?それを今回の出来事にかこつけて説明します。
三橋さんのブログなどを読んでおられる皆さんは、「銀行が企業などにオカネを貸し付ける場合、預金者の預けたオカネを又貸ししているのではない」という事実は御存知ですよね?例えば1億円を借りたい企業があったとき、銀行は預金者の預けたオカネを金庫から取り出してきてゲンナマで企業に貸し出す、ということをしているのではなく、当該企業の口座の通帳に1億円という数値を「印刷」するだけ。いわゆる万年筆マネーってヤツです。こういう「貸し付け方」っていうのは銀行だけに許された方法で、いわゆるノンバンクと呼ばれる信販会社や消費者金融などのような金融機関には許されていない、銀行独自の「信用創造」と呼ばれるスキームです。
さて、銀行の本業務は貸付で利息を取ることで収益を上げることですが、貸付が預金者の預金の又貸しではないとすると、それじゃあ預金者から預金を受け入れる理由はそもそも何なのでしょうか?だって、万年筆マネーで貸付ができるなら、そもそもその元手となる現金は必要でなく、預金者からその元手となるオカネを預かっておく必要なんて無いからです。それでも銀行が実際に預金を受け入れているのは、銀行業務が元々現金ですべての金融取引を行っていた時代からの名残で、現金による貸し付けを行うためのキャッシュフローを確保するために始めただけの単なる歴史的な経緯に過ぎないと思われます。
さて、銀行の預金者の預金引き出しによる「取り付け騒ぎ」ですが、今のような「万年筆マネーによる貸付」の時代にはそもそもこれが「騒ぎ」になる、つまり銀行にとって「困ること」である、という認識自体がおかしいことになります。なぜなら銀行は預金者からオカネを預かります。そのとき、現金貸付の時代なら、こうして預かったオカネは貸し手の企業に渡るので、銀行は現金を手元に持っていない状態になるから、そんな状態の時に預金者が自分の預けたオカネを払い戻してくれと押し寄せたときに、銀行は、肝心の現金が企業に貸し付けてしまって手元に無いから預金者に払い出すことができない。それでキャッシュフローが無くて倒産、ということになるのですが、「万年筆マネーによる貸付」ならどうでしょうか?預金者から預かった現金は、そのまま金庫に保管して、企業には万年筆マネーを貸し出すから預金者から預かった現金は手つかずで、銀行の金庫に眠ったまま。だから、預金者が銀行に押しかけて預金を降ろしたければ、銀行は、金庫に眠っている現金をただ返すだけ。何の問題もない。だから取り付け騒ぎでキャッシュフローが無くて倒産する、という事件も起きないハズです。
でも、実際はそうはなっていない。じゃあどうなっているか、というと、銀行では企業貸し付け、というか、「融資業務」の方は万年筆マネーによる「信用創造」で貸し付けて利ざやを稼ぎ、一方で「預金業務」の方は、預金者から預かったオカネを金庫に眠らせておくのはもったいないので、国債や社債などの有価証券を購入して証券の利率と預金者に払う利息の差を利益とする、ということをやっています。すると、預金者から預かった預金を取り付け騒ぎで預金者に返すとなると、銀行は預かった現金は債券購入に充てて手元に無いので、かわりに購入した債券を売却して現金化してから預金者に返すことになる。ところが今回の米国のように、金利が急上昇してしまうと、債券の価格が暴落するので、債券を購入した価格を下回る価格でしか売却することができない。だから預金者から預かった金額を回収することができず、キャッシュフロー不足となって倒産、と相成るわけです。
さて、「取り付け騒ぎ」が壮大なるペテンだ、という話はどうした?ということをこれからお話します。
今のような万年筆マネーで融資を行い、預金者の預けた現金は債券を購入する、というスキームの元でも取り付け騒ぎによる倒産を防ぐことは原理的には可能です。というのは、仮に金利の爆上げで債券価格が暴落したときに預金者が銀行に殺到したとします。そのとき、銀行は押し寄せた預金者に、突如次のような「提案」をするのです。つまり、「貴方の預金を引き出す代わりに当行が貴方に同額の融資(貸付)を行います。つまり万年筆マネーで貴方の通帳に預け入れた預金額と同額の貸付額を印刷します。そして、その貸付利率は貴方が預け入れた預金に対する利息と同率とします。そして、私どもが運用のために購入した債券が満期を迎える日まであなたの預金を預かったままにしておいて、その時点で今貴方にお貸しした額をその預金と相殺してチャラにします。これなら今貴方が預金を降ろしたのと全く同じことになるので悪い取引ではないでしょう?少なくともこの提案を貴方が拒否して当行が破綻して貴方の預金が返って来ないよりはいい提案でしょう?」と。つまり、債券は、途中で売却して現金化すると、金利上昇時には損するが、満期まで保持すれば損をしない、という債券の特徴を利用した上記のような取引を預金者との間で成立させれば取り付け騒ぎによる破綻は原理的には防げるわけです。ただし、「原理的」には可能でも「現実的」には多分これを実行することはできないようになっていると思われます。それは全預金額と同額の融資が新たに追加されるために「自己資本比率」に関する貸付額の上限に抵触するなどの制約があるからです。でも、そういった制約条件は極めて人為的なルールなので、そこがペテンのペテンたる所以なんですね。そもそもオカネという制度それ自体が極めて人為的な約束事なので、こういう話になるわけですが、「オカネとは実はそもそもがペテンである」という事実を知っておけば、気持ちがかなり楽になります。何事もそうですが、現実の危機や理不尽が解消していなくても、そのカラクリがわかってしまえば気分が楽になる、というのが人間の心理というものだそうですから、今回のような「金融危機」もそういったノリで乗り切って行こうじゃありませんか。
シリコンバレー銀行(SVB)の預金取り付け騒ぎ…。
及川さんの動画でも
2023.3.12【米国】続報:シリコンバレー銀行破綻の次は?
【及川幸久-BREAKING-】
https://www.youtube.com/watch?v=Kx446wV0edI
として、この事件が他の銀行にも波及するのか、それともSVB固有の話かという解説をされていましたが、そもそも論として、この「預金者の取り付け騒ぎ」という事象自体が金融の壮大なペテンに過ぎないんですね。どういうことか?それを今回の出来事にかこつけて説明します。
三橋さんのブログなどを読んでおられる皆さんは、「銀行が企業などにオカネを貸し付ける場合、預金者の預けたオカネを又貸ししているのではない」という事実は御存知ですよね?例えば1億円を借りたい企業があったとき、銀行は預金者の預けたオカネを金庫から取り出してきてゲンナマで企業に貸し出す、ということをしているのではなく、当該企業の口座の通帳に1億円という数値を「印刷」するだけ。いわゆる万年筆マネーってヤツです。こういう「貸し付け方」っていうのは銀行だけに許された方法で、いわゆるノンバンクと呼ばれる信販会社や消費者金融などのような金融機関には許されていない、銀行独自の「信用創造」と呼ばれるスキームです。
さて、銀行の本業務は貸付で利息を取ることで収益を上げることですが、貸付が預金者の預金の又貸しではないとすると、それじゃあ預金者から預金を受け入れる理由はそもそも何なのでしょうか?だって、万年筆マネーで貸付ができるなら、そもそもその元手となる現金は必要でなく、預金者からその元手となるオカネを預かっておく必要なんて無いからです。それでも銀行が実際に預金を受け入れているのは、銀行業務が元々現金ですべての金融取引を行っていた時代からの名残で、現金による貸し付けを行うためのキャッシュフローを確保するために始めただけの単なる歴史的な経緯に過ぎないと思われます。
さて、銀行の預金者の預金引き出しによる「取り付け騒ぎ」ですが、今のような「万年筆マネーによる貸付」の時代にはそもそもこれが「騒ぎ」になる、つまり銀行にとって「困ること」である、という認識自体がおかしいことになります。なぜなら銀行は預金者からオカネを預かります。そのとき、現金貸付の時代なら、こうして預かったオカネは貸し手の企業に渡るので、銀行は現金を手元に持っていない状態になるから、そんな状態の時に預金者が自分の預けたオカネを払い戻してくれと押し寄せたときに、銀行は、肝心の現金が企業に貸し付けてしまって手元に無いから預金者に払い出すことができない。それでキャッシュフローが無くて倒産、ということになるのですが、「万年筆マネーによる貸付」ならどうでしょうか?預金者から預かった現金は、そのまま金庫に保管して、企業には万年筆マネーを貸し出すから預金者から預かった現金は手つかずで、銀行の金庫に眠ったまま。だから、預金者が銀行に押しかけて預金を降ろしたければ、銀行は、金庫に眠っている現金をただ返すだけ。何の問題もない。だから取り付け騒ぎでキャッシュフローが無くて倒産する、という事件も起きないハズです。
でも、実際はそうはなっていない。じゃあどうなっているか、というと、銀行では企業貸し付け、というか、「融資業務」の方は万年筆マネーによる「信用創造」で貸し付けて利ざやを稼ぎ、一方で「預金業務」の方は、預金者から預かったオカネを金庫に眠らせておくのはもったいないので、国債や社債などの有価証券を購入して証券の利率と預金者に払う利息の差を利益とする、ということをやっています。すると、預金者から預かった預金を取り付け騒ぎで預金者に返すとなると、銀行は預かった現金は債券購入に充てて手元に無いので、かわりに購入した債券を売却して現金化してから預金者に返すことになる。ところが今回の米国のように、金利が急上昇してしまうと、債券の価格が暴落するので、債券を購入した価格を下回る価格でしか売却することができない。だから預金者から預かった金額を回収することができず、キャッシュフロー不足となって倒産、と相成るわけです。
さて、「取り付け騒ぎ」が壮大なるペテンだ、という話はどうした?ということをこれからお話します。
今のような万年筆マネーで融資を行い、預金者の預けた現金は債券を購入する、というスキームの元でも取り付け騒ぎによる倒産を防ぐことは原理的には可能です。というのは、仮に金利の爆上げで債券価格が暴落したときに預金者が銀行に殺到したとします。そのとき、銀行は押し寄せた預金者に、突如次のような「提案」をするのです。つまり、「貴方の預金を引き出す代わりに当行が貴方に同額の融資(貸付)を行います。つまり万年筆マネーで貴方の通帳に預け入れた預金額と同額の貸付額を印刷します。そして、その貸付利率は貴方が預け入れた預金に対する利息と同率とします。そして、私どもが運用のために購入した債券が満期を迎える日まであなたの預金を預かったままにしておいて、その時点で今貴方にお貸しした額をその預金と相殺してチャラにします。これなら今貴方が預金を降ろしたのと全く同じことになるので悪い取引ではないでしょう?少なくともこの提案を貴方が拒否して当行が破綻して貴方の預金が返って来ないよりはいい提案でしょう?」と。つまり、債券は、途中で売却して現金化すると、金利上昇時には損するが、満期まで保持すれば損をしない、という債券の特徴を利用した上記のような取引を預金者との間で成立させれば取り付け騒ぎによる破綻は原理的には防げるわけです。ただし、「原理的」には可能でも「現実的」には多分これを実行することはできないようになっていると思われます。それは全預金額と同額の融資が新たに追加されるために「自己資本比率」に関する貸付額の上限に抵触するなどの制約があるからです。でも、そういった制約条件は極めて人為的なルールなので、そこがペテンのペテンたる所以なんですね。そもそもオカネという制度それ自体が極めて人為的な約束事なので、こういう話になるわけですが、「オカネとは実はそもそもがペテンである」という事実を知っておけば、気持ちがかなり楽になります。何事もそうですが、現実の危機や理不尽が解消していなくても、そのカラクリがわかってしまえば気分が楽になる、というのが人間の心理というものだそうですから、今回のような「金融危機」もそういったノリで乗り切って行こうじゃありませんか。
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