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今の世界がよくわかるプーチン演説「状況は、ある程度革命的」 [ロシア]

阿修羅板で、第19回バルダイ・クラブ年次総会でのプーチン演説についての記事を読んだ。→「状況は、ある程度革命的(耕助のブログ)」http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/298.html

次のコメントがついていた。同意同感。《プーチンという人は、ソ連崩壊直後、一時期タクシーの運転手をしており、それから学究生活に入った。だからかれは庶民の生活を政治家のなかではよく知っているほうだとおもう。そのままならプーチンは高校や大学あたりの教師をしていたかもしれない。しかしエリツィンに才能を見出されてモスクワ市議会議員であるエリツィンの秘書のようなことをするようになった。エリツィンが出世するとプーチンも自動的に政界の階段を上がっていったが、かれは基本的に学者だ。そして柔道をすることでわが道が開けたとオリバー・ストーンの映画で語っているように大の日本通であり日本好きだ。こういう人物が哲学思想を縦横に駆使して世界を語ることはちっとも不思議ではない。わたしたちはプーチンという人物を西側のプロバガンダのせいでずいぶん誤解している。もっと真摯にかれのことばに耳を傾けるべきだ。1. 鼻タレ[192] lUCDXoOM 2022年11月06日 23:11:59

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状況は、ある程度革命的

The Situation is, to a Certain Extent, Revolutionary   by Pepe Escobar

実際プーチンは我々がいる場所は革命の淵である、と言った。

プーチン大統領は、第19回バルダイ・クラブ年次総会での包括的な演説{1}の中で、一極集中に対する辛辣で多層的な批判を行ったにほかならない。

シェイクスピアからソレイマニ将軍の暗殺まで、精神性についての考察から国連の構造まで、人類文明の発祥地としてのユーラシアから、BRI、SCO、INSTCの相互関連まで、 核の危険性から「ヨーロッパ人が他より優れているという考えに縛られている」ユーラシアの周辺半島まで、それは「第二次世界大戦後最も危険な10年」の最中にある我々が直面している「歴史の節目」を、ブリューゲル的なカンバスに描いた演説であった。

プーチンは、古典の言葉を使い、つまり今の生活を続けることは、「上流階級はできないし、下層階級は嫌だといっている」として「状況はある程度革命的だ」とまで言った。だからすべてが動いて「新世界秩序の未来が我々の目の前で形作られている」のである。

西側が行っているゲームの「血みどろ、危険、汚い」というキャッチ―なスローガンをはるかに超えて、プーチンの演説とその後の質疑応答{2}は、過去、現在、未来についての首尾一貫したビジョンとして分析するべきである。ここではそのハイライトをいくつか紹介する。

「世界は、世界機関の劣化、集団安全保障の原則の浸蝕、国際法を「ルール」に置き換えることを目の当たりにしている」

「冷戦の真っ只中でさえ、誰も他者の文化や芸術の存在を否定しなかった。西側諸国では、自分たちの見方に代わるものはすべて破壊的であるとされている」

「ナチスは本を燃やした。今、西側の『自由主義』の父たちはドストエフスキーを禁止している

「少なくとも2つの“西側”がある。一つは伝統的で、豊かな文化を持つもの。もうひとつは攻撃的で植民地的なものだ」

ロシアは自らを西側の敵と考えたことはなく、また考えてもいない

「ロシアは西側諸国やNATOと関係を築こうとした。平和と調和の中で共に生きようとした。すべての協力に対する彼らの回答は、単に『ノー』だった

「我々にとってウクライナへの核攻撃は必要ない。政治的にも軍事的にも意味がない

「ある意味ロシアとウクライナの間の状況は内戦とみなすことができる。”ボルシェビキはウクライナを創設する際、基本的にロシアの領土を付与した。小ロシアの全域、黒海沿岸の全域、ドンバスの全域を与えたのだ。ウクライナは人工国家として発展してきたのである“」

ウクライナ人とロシア人は一つの民族であり、これは歴史的事実である。ウクライナは人工国家として発展してきた。その主権を保証できるのは、それを作った国、ロシアだけだ」

「一極集中の世界は終焉を迎えつつある。西側諸国は単独で世界を支配することはできない。第二次世界大戦以来、最も危険で重要な10年を前に、世界は歴史的な節目に立っている」

「人類には2つの選択肢がある。我々全員が確実に押しつぶされる問題の重荷を積み重ね続けるか、協力して解決策を見出すかだ」

乱行のあと、我々はどうするのか?

吸い込まれるような議論が続出する中、バルダイでの問題の核心は2022年の報告書「超大国のない世界」{3}であった。

この報告書の中心的なテーゼは、極めて正しく、「米国とその同盟国は、実際、もはや支配的な超大国の地位を享受していないが、それを支えるグローバルなインフラが依然としてそこにある」というものだった。

もちろん、現在の岐路にあるすべての主要な相互に関連する問題は、「ロシアが、独自の安全保障と公正の考え方に導かれて、唯一の超大国が作り出した『世界平和』の恩恵を捨てることを選んだ最初の大国となった」ために引き起こされた。

正確には「世界平和」ではない。それはマフィアが強要する「嫌なら結構」という気風である。この報告書は、ロシアの金と外貨準備の凍結、およびロシアの海外財産の「掃討」を、「西側の権限」、「必要ならば」、「法よりも政治的便宜によって導かれている」と極めて外交的に述べている。

それは実際は「ルールに基づく国際秩序」の陰に隠れた完全な窃盗である。

報告書は、少なくともこれがまったく保証されたものではく、「新しい基盤の上に国際システムを根本的に再構築することを止めることはできないだろう」と認めながら、楽観的なことに、ある種の正常化した「冷たい平和」の到来を「今日可能な最善の解決策」として予見している。

実際、進化する多極化の基盤は、帝国が命令した挑発行為によってロシアが特別軍事作戦(SMO)を開始せざるを得なくなったわずか3週間前にロシアと中国の戦略的パートナーシップ{4}によって提示されたものである。

それと同時に、多極化の金融構造{5}は、少なくとも2021年7月以降、マイケル・ハドソン教授とラディカ・デサイの共著論文で提案されていた。

バルダイ報告書は、「グローバル・サウス」の中堅国の役割をきちんと認めている。それは国際政治の民主化を象徴するもの」であり、「激動期の緩衝装置として機能する」かもしれない。これは、主要な主役としてのBRICS+{6}の役割への直接的な言及である。

チェス盤を挟んでの大きな構図については、「“唯一の真実の考え”の勝利は、異なる見解や価値を持つ支持者との効果的な対話と合意を現実的に不可能にする」と考えた時、分析はより現実的になる傾向がある。

プーチンは演説の中で何度もそのことに言及した。帝国とその属国が、規範的で押しつけがましい価値観に基づく一国主義から逸脱するという証拠は何一つないのだ。

世界政治が「力の上に成り立つ無政府状態に急速に戻り始めている」のは、言うまでもなく明らかである。カオス帝国(米国)だけが無政府状態を望んでいる。津波のような制裁は別として、反乱国をコントロールするための地政学的・地理経済的手段を完全に使い果たしたからだ。

だから子供じみたネオ・ヘーゲル的な「歴史の終わり」の夢は、結局は歴史の壁に突き当たったとするこの報告書は正しい。我々は、権力の中枢の間の大規模な紛争のパターンに戻っている。

そして、それ以前の世紀に起こったように(米国がイギリスから引き継いだように)「単に『オペレーター』を変えるだけではうまくいかない」ことも事実である。

中国は新しい保安官になりたいという願望を抱いているかもしれないが、北京の指導者は間違いなくその気はないだろう。そして、たとえそうなったとしても、覇権国家はそれを猛烈に阻止しただろう。なぜなら「システム全体」が「その支配下(主に金融と経済)」にあるままだからである。

したがって、繰り返すが、唯一の解決策は多極化である。この報告書はそれを「超大国のない世界」という、やや曖昧な表現で特徴づけている。しかし「そのたためにはより大きな行動の自由とその責任を意味する自己規制のシステム」が必要である。

歴史上もっと奇妙なことが起こっている。現状では、我々は完全な崩壊の渦の中に深く入り込んでいる。実際プーチンの言う通り、我々は革命の淵にいるのである。

Links:

{1} http://en.kremlin.ru/events/president/news/69695

{2} https://vk.com/video-214192832_456239041?list=ln-ixmnwTZ5qWUNnBhfUO

{3} https://valdaiclub.com/files/39176/

{4} http://en.kremlin.ru/supplement/5770

{5} https://valdaiclub.com/files/34879/

{6} https://valdaiclub.com/files/38432/

 

 


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