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9月議会一般質問報告 [議会]

9月5日予定の一般質問が、市長がコロナ感染のため、15日になりました。以下、議会報原稿と登壇原稿です。

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【議会報原稿】

正常な世の中に戻すために
Qコロナ騒ぎが始まって二年半」、終息に向かっているとは言い難いが、もういい加減にっしてほしいというのが正直なみんなの気持ち。最初は最悪の事態を想定して怖がっていたが、最近は身近な人が感染して体験的に語られるようになった。市長のコロナ感染の体験は。
《市長》運良くインフルエンザ程度で収まった。
Qインフルエンザの流行状況は。
《市長》コロナ前の令和元年が4629人、コロナ後の令和3年は63人に激減。
Q一年前に2類相当からインフルエンザ並みの5類にすべきと主張したが、ようやくその理解も広まりつつある。しかしその一方で、5歳以上11歳までの山形県ワクチン接種率は44.7%で全国2位。最下位の大阪府は7.2%で6倍の開きがある。さらに南陽市は53.2%。ワクチン接種後死亡者1835名、重篤者15281人(9/2厚労省発表)の事実を考えて、ワクチン接種に慎重な泉大津市にならったらどうか。
《市長》ワクチン接種のメリットが大きいと考えるので、泉大津市にならうつもりはない。
Q80年前の戦争中と変わらない異常な状況の最たるものがマスク着用。教育現場はどう考えているか。
《教育長》文科省の衛生管理マニュアルに基づきつつ熱中症等を配慮して指導。
《学校教育課長》子ども達の表情が読み取れないということが問題視されている。
◎マスクが子どもの発達に及ぼす影響の深刻さを、教育現場はしっかり受け止めて対処してほしい。

【登壇原稿】

 コロナ騒ぎが始まった頃はその実態がつかめず、恐怖感のみが先立って、最悪の事態を想定した対策が講じられてきました。それから2年半、今ではごく身近なところでのコロナ感染が珍しいことではなくなり、コロナの実態について、想像ではなく、実際の体験を通して考えられるようになっています。そこで、いちはやく正常な世の中に戻るためにどうするかを、あらためて冷静になって考えてみたい。その観点から質問したいと思います。
流れる雲よ1.jpg 8月31日、一般公演に先立って「流れる雲よ」の通し稽古を観ることができました。その感想から始めたいと思います。
 舞台はもう広島に原爆が投下され、終戦はもう時間の問題になっている状況下という設定でした。そうした時期に自ら命を抛つ覚悟を決めている若き特攻隊員たち、そこに未来からのラジオ放送が流れてきて、現代の日本がオーバーラップするという設定のドラマです。あの状況下で特攻隊員の死に意味があるのかという深刻な問いが投げかけられます。答えはこうでした。《もしかりに、未来の電波の話が本当で、我が日本が、戦争に負けるとしたらどうする?俺達がやってることは無駄だと思うか?俺達の死は、無駄死にだと思うか。・・・負ける事が判り、すべて無駄だと悟って命をかけて行くのをみんながやめたら‥‥そしたら、誰が守る? この国はいったい誰が守るんだ?》                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                流れる雲よ2.jpg つまり戦後日本の平和と繁栄はそうやっ て散っていた若い命のおかげなんだ、ということです。戦死者への鎮魂歌とも言える「海ゆかば」の荘重なメロディで幕は下りました。
 たしかに感動的なフィナーレでした。しかし、そこでわかったような気持ちになって考えることをやめてはならないと思いました。
戦死者日暦.jpg 2年前、山交バスの社長も勤められた天童の佐藤宏一さんという方が、日本軍兵士として何名の方が命を落としたかを徹底的に調べあげた本を『戦死者日暦』として出版されました。それによると、特別攻撃隊の戦死者は人間魚雷も含めて5,593名です。さらに愕然とさせられたのが、支那や南方に攻め込んだ兵士に対して現地自給自足と称して食糧補給を怠り、そのために腹が減って戦わずに餓死した兵士の数はなんと140万名に及ぶと考えられるというのです。「軍人勅諭」には「死は鴻毛よりも軽し」とありました。兵士はそれを暗唱させられ、命を惜しむことなく死んでゆくことが当然とされていたのです。「流れる雲よ」でも登場していた背広姿の上官、その命令一下、若い命はこともなく消費されていったのです。厚生省援護局の統計によると、昭和12年の日中戦争から戦後のシベリヤ抑留による死者まで、日本軍兵士として亡くなった人は310万人にのぼります。さらにこの本の最後に注目すべき記述がありました。実際の戦闘で亡くなった日本側兵士と対戦した敵国の戦死者を比較した「戦死者対戦国比較統計」があり、それによると、敵側の戦死者が239,325名なのに対して日本人戦死者はその4倍の1,025,041名です。武器弾薬の不足を日本兵士の肉弾で補った結果の数字です。その現実をしっかり見つめなければなりません。なぜそんな馬鹿げた戦争に国を挙げて突っ込んでいってしまったのか。あの戦死者たちのおかげで今がある、そんな言葉にごまかされて考えることをやめてはならない、つくづくそう思っているところです。
 私は終戦の2年後に生まれました。もうあんな馬鹿げた時代を繰り返してはならない、われわれはそういう教育を受けてきたつもりでした。しかし、コロナ騒ぎが始まって、われわれの受けてきた教育がいかにいい加減なものであったかを痛感させられることになりました。日本人はあれだけの大変な時代をくぐり抜けてきたにも関わらず、いとも簡単に「異常な状態」を受けいれてしまうことにおいて全く変わっていなかったのです。悪いことに、異常さを進んで受けいれる人ほど高い評価が下される。異常さを受け容れないと変わり者扱いされ、除け者にされかねない、かつて戦争に反対すれば「非国民」とされるような世の中が再びめぐってきたように思わされてきました。『流れる雲よ』でいえば、《負ける事が判り、すべて無駄だと悟って命をかけて行くのをみんながやめたら‥‥そしたら、誰が守る?この国はいったい誰が守るんだ?》その言葉が強制力となって若い命を散らせていったのです。ワクチン接種について言われたこととも似ています。ワクチンをきちんと接種しているということで、「自分は周囲のことを思って打ったんだ」と大きな顔ができる。逆に、打たないことを選択した人に対しては、「身勝手な奴」として避難したくなる心理とつながるように思えるのです。

 コロナ騒ぎが始まって2年半、毎日発表される数字を見る限り終息に向かっているとは言いがたいが、ひとりひとりの思いとしてはもういい加減にしてほしいというのが正直のところですが、80年前の戦争中と変わらないような異常な状態がいまだにつづきます。マスクなどはまさにその最たるものです。大した意味もないことを知りながら、周りを慮って外すに外せない日常があたりまえになっている。こんな状態の中で育つ子どもはどうなるかを思うと暗澹たる気持ちになります。山形県が昨日から全数把握見直しに踏み切りました。行政は、進んで正常化を目指すべき時期に至っているのではないか。その観点から質問します。

⑴南陽市におけるこれまでのコロナ発症者数、重症化数、死亡者の数は。陽性者と発症者とは別であること踏まえてお答えください。 
⑵ワクチン接種者とワクチン未接種者の陽性率、発症率、重症化率、死亡率は。
⑶市で把握しているワクチン接種による副反応についてお答えください。
⑷南陽市におけるインフルエンザ感染状況を、コロナ以前とコロナ以後(2018年以降2022年まで)についてお答えください。
⑸国や県はワクチン接種推進に積極的にみえるが、市に対して具体的にどのような働きかけがあるか。
⑹教育現場におけるマスク着用の現状は。そしてその評価は。また、マスク着用の根拠をどこにおいて指導しているか。
⑺南陽市経済に及ぼしたコロナの影響について、具体的な数値把握があれば、今後の見通しとともに示してほしい。

 以上、壇上からの質問といたします。

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めい

《なぜ5類に変更しないのか。それは、2類のスキームを残せば、厚労省が差配し、保健所・医療機関・検査会社・宿泊療養施設など、多くの関係者が補助金などの利益にありつくことができるからだ。》

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現状に合っていない新型コロナ「2類」扱いの弊害…「5類」への変更が必要だ どうする、どうなる「日本の医」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/22/iryo10/msg/132.html
投稿者 赤かぶ 日時 2022 年 10 月 25 日 17:25:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
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現状に合っていない新型コロナ「2類」扱いの弊害…「5類」への変更が必要だ どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313354
2022/10/25 日刊ゲンダイ


感染すると従来の介護サービスが受けられなくなる

 臨時国会で議論される感染症法改正の概要が明らかとなった。注目すべきは、新型コロナの扱いについて、2類から5類への変更が見送られたことだ。この仕組みでは今冬の流行には対応できない。

 感染症法改正で最優先すべきは、現状に即して体制を変更することだ。現在、流行している変異株は、感染力は強いものの毒性は弱い。致死率は0.1%程度で、季節性インフルエンザと変わらない。

 このような病原菌を2類として扱うことは弊害が多い。それは、保健所と急性期病院が対応の中核となり、それ以外の医療・介護関係者が蚊帳の外に置かれるからだ。

 急性期病院が、今夏の第7波で果たした役割は限定的だった。我々が、公開データを基に大学病院など26病院の8月3日現在の患者受け入れ数を調べたところ、即応病床に占める入院患者数の割合は、慶応義塾大学126%、順天堂大学125%、日本大学123%のように100%を超えるところもあるが、19病院は、第7波真っただ中の8月3日でも空床を抱えていた。兵庫医科大学の稼働率は36%、国立国際医療研究センターの稼働率は42%に過ぎなかった。

 病院の経営者に問題があった可能性も否定はできないが、第7波では、このような病院への入院が必要となる重症患者が、そもそも少なかったのだろう。都立病院に勤務する内科医は、「入院しているコロナ患者は、ほとんど中等症止まりで軽症も多かった」という。

 では、2類だとどんな人が問題となるのか。それは高齢の要介護者だ。訪問看護サービス会社ビジナを経営する坂本諒看護師は、「感染すると従来の介護サービスが利用できなくなり、訪問看護サービスを利用しようにも、急いで医師に指示書を作成してもらうのは難しい」という。こうやって、コロナ難民が生まれる。

 このような患者に対しては、その状況に合わせて、地域の医療・看護・介護スタッフが臨機応変に対応するしかない。ところが、2類に留め置く限り、こんなことは期待できない。それは、地元の医療・看護・介護従事者と保健所の関係が希薄だし、スタッフの感染による営業的、風評的損害を恐れる介護・看護・医療機関の経営者は、コロナ患者への対応を避けるからだ。

 では、なぜ5類に変更しないのか。それは、2類のスキームを残せば、厚労省が差配し、保健所・医療機関・検査会社・宿泊療養施設など、多くの関係者が補助金などの利益にありつくことができるからだ。報告対象を高齢者や重症化リスクが高い患者に絞り込めば、業務が逼迫することもない。

 当初、厚労省は世論に押される形で、コロナを5類に変更するつもりだった。ところが、9月に入り、世論の関心は統一教会問題や安倍元総理の国葬へと移ると、この変更を引っ込めた。コロナ迷走は当分続きそうだ。

上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長

1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。

by めい (2022-10-27 03:44) 

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