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「私たちはもう一度、安倍氏の現実主義を想起すべきではないか。」(益尾知佐子) [安倍元総理暗殺]

副島氏が「安倍が死んだ 讃歌」を書いている。→http://snsi.jp/bbs/page/1/

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1.安倍が死んだ、 安倍が死んだ、安倍が死んだよー。
安倍が死んで、日本の国が明るくなった。 (合いの手:よかったなぁー)
2.統一教会、統一教会、反共右翼 の 宗教団体。ムーニー、ムーニーが
滅んでゆくよ。やっとのこと、やっとのことで統一教会が滅ぶ。(よかったなぁー)
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10.プーチンのロシアが勝って、中国も勝つ。 欧米白人たちの、500年間のキリスト教の支配が終わってゆくよー。日本は、アジア人で、生き残る。(いいことだ、いいことだ、よしよし)

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副島氏の中での1、2→10の脈絡が理解できない。

一昨日の日経、益尾知佐子九州大学准教授の「体制間対立より現実主義」は、とりあえず冷静にさせてくれる。

《各国は自らと利害関係の異なる強者が生存を脅かしていると認識すると、軍事や外交上の対応措置を増強する。それを見た相手は他方の力の拡大に恐怖心を募らせ、自らを守ろうと新たな措置をとる。双方の関係は相互作用でさらに緊張し、軍拡が起き、武力衝突のリスクが高まる。おのおのの恐怖心が生む全体的な悪循環は、「安全保障のジレンマ」と呼ばれる。》そのことを理解した上で、《私たちはもう一度、安倍氏の現実主義を想起すべきではないか。》そもそも安倍晋三元首相は、ニュアンスに富んだ実務外交を展開した。インド太平洋構想を掲げ、中国に対する外交・安全保障上の備えを確保しながら、経済面では中国との共存を模索した。ルール構築の重要性も掲げ、日本の戦略的価値を高めることに成功した。そうした安倍外交は、欧米だけでなく中国からも高く評価され》ていたのだから。

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体制間対立より現実主義 権威主義との闘い

益尾知佐子・九州大学准教授

ポイント
○恐怖が日米中を「安全保障のジレンマ」に
○中国の覇権主義への警戒、18年から拡大
○安倍氏の対中外交の現実主義、想起せよ

ロシアによるウクライナ侵攻以降、西側の「民主主義」と中国、ロシアに代表される「権威主義」との体制間対立をあおる論調がはびこっている。しかし中国外交の研究者から見ると、新冷戦とも言われる現在の状況を「民主主義対権威主義」の対立軸で捉えるのは危険である。

なぜならこの対立軸には、「善対悪」の価値観が埋め込まれている。そしてこうした見方は将来、私たちを十字軍的な「正義の戦い」へと駆り立てかねない

今日の日本では、中国は「権威主義の悪の親玉」扱いを受けている。しかし中国国民の政権への満足度は高く、ハーバード大学の2020年の発表では95.5%に達した(調査は16年)。この数字は驚異的だが、中国政府が汚職撲滅や環境美化、貧困対策などに尽力してきたのは確かだ。ほとんどの国民は政権の問題解決能力を評価しており、これを悪政とはみていない。

むろん中国共産党政権は党や漢族の安全や権利を過度に重視し、しばしば人権抑圧などの問題を引き起こす。しかし民主主義を掲げる日本も男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数で世界116位と低迷し、非正規雇用がまん延している。若者は結婚できず、自殺率も高い。

日米中3カ国に住んだ筆者の実感では、民主主義の方が優れた体制とは言い切れない。中国は批判を受けるのに、同じアジアのシンガポールの権威主義が非難されないのも不自然だ。つまり現在の世界情勢における問題の本質は、民主主義と権威主義との体制間対立ではないのだ。

◇   ◇

では何が問題か。国際政治の基本は力の対立だ。現実主義の祖であるギリシャの歴史家トゥキディデスは、民主主義のアテネと権威主義のスパルタの間で起きたペロポネソス戦争の30年を記録した。長年の分析の結果、彼が指摘した戦争の根本原因は政治体制の差ではなかった。いわく、「戦争を不可避にしたのは、アテネの台頭、そしてそれがスパルタに引き起こした恐怖だった」(「戦史」)。

ますお・ちさこ 東大博士(学術)。米ハーバード大研究助手など経て08年から現職。専門は中国の政治外交

国家はときに栄え、ときに衰退する。国家間の勢力均衡図は組み替えを繰り返すが、いったん定まればある程度安定的になり、国際秩序の基盤を提供する。ゆえに国家間の力関係が大きく変化するとき、各国は新たな構造の中で利益を確保しようと動き、情勢は流動化する。戦争や外交的手段を通し、主な関係国間で利益配分の再調整が済むまでこの状態は継続する。

各国は自らと利害関係の異なる強者が生存を脅かしていると認識すると、軍事や外交上の対応措置を増強する。それを見た相手は他方の力の拡大に恐怖心を募らせ、自らを守ろうと新たな措置をとる。双方の関係は相互作用でさらに緊張し、軍拡が起き、武力衝突のリスクが高まる。おのおのの恐怖心が生む全体的な悪循環は、「安全保障のジレンマ」と呼ばれる。

中国は12年以降、日本の領土を実力で奪おうとしてきた。急激な軍拡を続ける中国が今、日本の最大の脅威であることは間違いない。中国は「不測の事態を招きかねない危険な行為」を行い、「自らの一方的な主張を妥協なく実現しようと」してきた(「令和3年版防衛白書」)。

筆者もその行動を深く憂慮する一人である。しかし勢力均衡の変化が引き起こした対立を「権威主義との闘い」と言い換え、相手の存在そのものを否定し対抗をあおるのは、物事の本質をはぐらかす態度だ。

新たな利益配分の調整に際して考慮すべきは、中国も今の国際政治に恐怖を感じている点だ。中国共産党の認知枠組みは元来、対外的な脅威を誇張しがちだ。

中国は常に「覇権」主義の国際的広がりを警戒してきたが、中国メディアでの言及頻度は18年から急増する。米中貿易戦争が始まった年である。

◇   ◇

より細かく見てみよう。図は中国国営の新華社発の記事の中で、習近平(シー・ジンピン)国家主席がどう「覇権」を論じてきたかをコーディングした結果である。中国共産党機関紙・人民日報の電子版「人民網」中の「習近平系列重要講話データベース」から該当記事を抽出し、中身をすべて読んで分類した。

習氏の論じ方としては、中国自身の「反覇権主義」の表明が最もマイルドな表現である。次に穏やかなのが国際一般の外交原則もしくは歴史経験として「反覇権主義」に言及したものなどである。最も強度を持つ表現が、他国の今の「覇権主義」への批判、もしくはそれに対する国際的連帯の呼びかけである。

中国は指導者の品位を守るため、指導者による他国への批判をあまり報じない。だがこの図から明らかなように、習氏は20年から反覇権主義への言及頻度と強度を急拡大している。さらに同年末から他国の「覇権主義」への明確な批判を展開するようになる。

それだけ習氏は、米トランプ前政権が始めた中国への半導体禁輸措置や、バイデン現政権による日米豪印の4カ国枠組み「クアッド」の強化、米英豪の軍事的枠組み「AUKUS」の発足に対し、深刻な脅威を感じていたのだろう。

興味深いことに、時系列データでは習氏の言及の転機は2回とも、ロシアのプーチン大統領との会談中に生じている。習氏が米国の言動に悩んでいたことは間違いないが、それをくみ取って言語化したのは、中国より対米不満の強いプーチン氏だった可能性がある。

ロシアのウクライナ侵攻後、中国当局は「西側に追い詰められている」という感覚を強めた。中国から見れば、ロシアの軍事行動で日豪などが北大西洋条約機構(NATO)の会議に参加し、世界の対中包囲網が強化される理由は、中国つぶし以外にない。

習氏は22年に入り、米国を中心とする国々の「小圏子」(お仲間グループ)への非難を強めた。6月下旬には新興5カ国による「BRICS」の拡大を目指し、発展途上国の「大家庭」づくりを本格化した。同時に4隻目の空母の建設や、宇宙と陸と海底を結ぶグローバルな立体監視網の構築にも注力する。世界の安全保障のジレンマは新段階を迎えている。

新たな勢力が台頭するとき、国家間では利益配分の再調整が必須だ。だが対立があまりに激化すれば、調整は軍事的衝突でしか行えない。西側諸国の現在のやり方は、中国と外交的に組み合う選択肢をほとんど残しておらず、中国側の脅威感を不必要に高めている

先日亡くなった安倍晋三元首相は在任時、ニュアンスに富んだ実務外交を展開した。インド太平洋構想を掲げ、中国に対する外交・安全保障上の備えを確保しながら、経済面では中国との共存を模索した。ルール構築の重要性も掲げ、日本の戦略的価値を高めることに成功した。そうした安倍外交は、欧米だけでなく中国からも高く評価された。

諸般の条件は一変したが、私たちはもう一度、安倍氏の現実主義を想起すべきではないか


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