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一昨日 236名(昨日 230名)、死者数最大! [コロナ危機]


オミクロン発祥の南アフリカの例から、《「オミクロンは軽症」と楽観視ばかりはしていられない》と書いたのが1月19日でした。→「ワクチン体制の綻び/要注意!オミクロン」 案の定、2月15日の死者数236名は、1日あたりのコロナ死者数がパンデミック開始以来最大です。厚労省から各都道府県に2月7日付で「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」という文書が出されたというのも嫌な感じです。


オミクロンについては「感染力は高いが軽症で済む」と言われてきましたが、実はオミクロンの亜種「BA.2」の出現で決して楽観視できなくなっているようです。

《・BA.2 亜種は感染性が高いため(検査数に現れなくとも)感染者が増える
 ・BA.2 亜種は重症化率が高いため、死者、重症者が増える(特に肺炎)
 ・ワクチンの中和抗体は、BA.2 亜種には効かないが、ADE (抗体依存性増強)を誘発する感染増強抗体は残るので、以前ワクチンを接種した人に ADE が起こりやすくなる東京大学、北海道大学などの数十名の研究者たちの研究により明らかになったとのことです。(地球の記録

そしたらこんどは今朝のQuora、「新型コロナを5類にすれば全て解決なんだよな」と言ってる人がいましたが、どう思いますか?に対する看護師さんの回答を読んで、「2類相当から5類に」ついて再考を迫られています。半年前は「新型コロナはインフルエンザ程度」の認識だったのですが、強力な毒性を持つ変異株が登場する可能性》現実化しつつあるかもしれないことと、「広域火葬計画」通知も併せ考えて、不気味に思えてきたのです。ただし、「イベルメクチンという強い味方」はここでも健在のはずです。→「『イベルメクチン』(大村智編著)を読む」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2022-02-05-1

Quora回答、転載しておきます。

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オミクロン株以降の変異がないか、あってもオミクロン株と同程度の毒性であれば、ただちに5類にダウングレードすることを国民を差し置いてでも政府が一番に望んでいると思います。

その理由はいろいろありますが、2類のままだと政府の財政負担が大きいからというのが最大の理由でしょう。

今、新型コロナ感染は2類なので感染者は医療費が保険適用・部分公費です。これはを5類にすると保険適用と私費の負担になります。他にも特措法による自粛要請などができなくなり、感染者のためのホテル借り上げや休業補償などに関わるモロモロの財政負担もゼロになります。もちろん、業務が逼迫している行政や保健所の負担が軽減され、多くの人が通常業務に戻れるでしょう。政府にとってはいいことづくめですが、国民にとっては懸念される問題がいろいろあります。

2類から5類にダウングレードされればインフルエンザと同じ扱いなので、現在のような保健所の介入もなくどこの医療機関でも受診/入院できるようになります。現行の感染症指定医療機関とクラスター追跡の縛りは外れますので、あちこちの医療機関でクラスターが発生し感染者が急増することもおおいにあるでしょう。何もなくても院内は感染が発生しやすい条件が揃っています。5類になれば厳密な防護服もN95マスクからも解放されますし、仮にスタッフが陽性でも無症状であれば出勤できますので、スタッフ不足も緩和されます。

もちろん、感染者数と重症者数は正比例しますから、感染による一定の死者が予想されることもインフルエンザと同じです。新型コロナワクチンの副反応にも怯える国民とマスコミが、欧米並みの感染者数や死亡率を許容範囲として静観できるのでしょうか。

さらに弱毒化がある程度見えてきたオミクロン株だけを基準として考えるとそれでいいようにも思えますが、アルファー株やデルタ株と同様かそれより強力な毒性を持つ変異株が登場する可能性は依然としてあります。

その時に面目丸つぶれになるから今さら2類に引き戻すこともできない、となれば国家としてどう対応するのか、という問題はひとつ間違えると失政であり、時の政府が解体しかねない事案に発展することもあるでしょう。

私自身はコロナ病棟に勤務して2年近くなりますが、実感としては5類でもいいかなと思う部分もあります。普通の病院でも慢性的な人手不足なのが、感染症指定医療機関となるとさらにスタッフの確保が困難なのです。大阪市が鉦や太鼓で看護師の募集をかけましたが一向に希望者が集まらず、自衛隊の協力を要請したニュースは記憶に新しいと思います。

今、手元に資料が見当たりませんが、沖縄でも現場の看護師が不足していて67人の緊急派遣が決定されたようです。突貫工事でハコ(病棟)は作れても看護師養成には3年以上かかります。これが「5類なら話は早い」と思ってしまう所以ですが、実際は先に述べたようにそう簡単に結論が出せない問題をいくつも含んでいます。

 

【追記 2022.3.9】

《無料(公費負担)を維持することで、無駄な事務作業を減らし、国民の医療アクセスを促進し、「健康に重大な影響」が出ないようにする必要がある》。結局は、「国庫支出増加=医療収入増加国庫支出」を是とする医療関係者による議論ですが、入院措置だとか就業制限だとか、強い人権制限をかけることが、「新型インフルエンザ等感染症」に対しては認められています。ただし、これらはすべて任意規定(~できる)であって、強行規定(~しなければならない)ではありません(←ここ誤解している人が多い)。》の指摘はありがたいので、メモっておきます。

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Sei Tetsurouさんのプロフィール写真

 

再々議論が出ていますが、今はまだ類型変更をする環境が十分整っていないのが最大要因なのではと思います。

「新型コロナウイルス感染症」は、感染症法上の「新型インフルエンザ等感染症」に分類されてます。「全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある」から指定されてます。

オミクロン株が流行主体になり、当初は少なかった重症者数も2月1日には800人を超える所にまで来ています。新規患者数はまだ増加しているので、遅れてくる重症者のピークはさらに増えていく可能性が残っています。

入院措置だとか就業制限だとか、強い人権制限をかけることが、「新型インフルエンザ等感染症」に対しては認められています。ただし、これらはすべて任意規定(~できる)であって、強行規定(~しなければならない)ではありません(←ここ誤解している人が多い)。

感染症法第19条には「都道府県知事は、~~入院させることができる」となっていて、裏を返せば、都道府県知事は「しないでいいよ」と言うことも法的には認められているんです。だから、いまでも流行が大きくなると、自宅療養に切り替えているわけ(法令違反じゃない)。

さらに、わざわざ隔離しなくても「急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がないと判断されれば、「今後、入院措置はしません」と知事は宣言することすらできます。

事実上、ここに関してはオミクロン株流行の最中では5類に近い運用です。東京都の現状で、自宅療養が約7万人、入院・療養等調整中が4万8千人程いるのに、入院は3600人で、都基準の重症者は29人です。おおざっぱにみて発症した人のうち、たったの3%程しか入院になっていないのですから。

2022年2月1日東京都の状況

皆さんの記憶にはないかと思いますが、2009年の新型インフルエンザ(H1N1pdm)のときは、同年4月に「新型インフルエンザ等感染症」に指定され、7月に「5類相当の運用」に切り替わりました。全数報告もやめたし、疫学調査で濃厚接触者をさがすこともやめました。

「だったら、5類にしたらいいじゃん」と思うかもしれませんが。そうではありません。

入院措置や外出自粛だけが「まん延防止」の施策ではありません。

たとえば、治療薬を無償にすることとか、国民にワクチンを無料で接種することとか、「新型インフルエンザ等感染症」として扱った方が、まん延防止をするうえで都合の良いことがあるのです。

ワクチンはブースター接種まで無料なのはご存じのことと思います。こちらは自己負担にした場合でも1回あたり5千〜1万円位かも知れませんが、接種率は確実に下がるでしょう。

新型コロナウイルスに対する話題の治療薬・・・ たとえば、人工抗体薬の注射薬(ソトロビマブ)なら1回30万円。内服薬(モルヌピラビル)でも8万円ぐらいします。いま、5類にしちゃうと3割負担で莫大な自己負担発生ですね。

入院した場合は、高額療養費制度が助けにはなるかもしれませんが・・。只でさえ忙しい流行の最中に、事務作業が大量発生して個人も行政側も面倒です。

無料(公費負担)を維持することで、無駄な事務作業を減らし、国民の医療アクセスを促進し、「健康に重大な影響」が出ないようにする必要があるのではと。

治療薬だけではありません。医療負荷を軽減し、家庭内感染拡大を防ぐのに一定の効果がみこめるホテル療養も5類に変更した後では自己負担です。自腹を切って1週間、あえてホテルに宿泊を選ぶ人がどのくらいいるでしょう??

なお、2009年の新型インフルエンザが、正式な5類になったのは、2011年4月です。国内では実質2009-2010年で死者数は200人程。2010年春には世間の関心も薄れていましたが、医師な自分も5類に変更されたこと自体を当時は知りませんでした。あの東日本大震災の後でドタバタしていた時期ですので。

では、いつ頃、新型コロナの「新型インフルエンザ等感染症」は解除されるのでしょうか?

皆が免疫(自然感染1巡2巡 and/or 国産ワクチンによる高リスク者への定期接種化)を獲得して、だれも気にしなくなった頃になるのではと。

気まぐれな変異株の行方が定まらないうちは中々難しいかと思います。

 


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