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菅官房長官がモデル『電光石火』(1) [本]

電光石火.jpg濱嘉之著『電光石火-内閣官房長官・小山内和博ー』(文春文庫 2015)を一気に読んだ。「副島隆彦の学問道場」でアルルの男・ヒロシ氏の記事を読んでもとめた積読本だった。

アルル氏の記事にはこうある。《今年(2015)初めに、菅義偉をモデルにした小説である元公安警察の小説家が書いた『内閣官房長官・小山内和博電光石火』(濱嘉之・著、文春文庫)という本が出て、これを政治ジャーナリストの歳川隆雄氏が紹介していたので読んでみたが、この小説は完全な実名小説で、事実関係も一部を除けば全て事実に即している。菅義偉をモデルにした官房長官が橋下徹をモデルにした政治家と談合していることまで書いてある。石破茂をモデルにした政治家が女性問題で潰されていくことも書かれているが、空恐ろしい内容だ。かつては後藤田正晴官房長官が連想されるが、官房長官のもとには与野党の政治家のスキャンダル情報が入ってくる、ということを示唆した小説であると思う。官邸のマスメディアをつかった情報コントロールとはこういうことだろう。》http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1827

第二次安倍政権は石破茂、石原伸晃との総裁選に辛勝して成立した。小説では石原伸晃のスキャンダルも盛り込まれている。歳川氏によれば本書にリアリティーがあるのは、著者が公安畑出身で内閣情報調査室勤務経験があるからだ。だが、警察サイドは「裏切り者」扱いをしている。》ということだ。

小説には菅官房長官を彷彿とさせる言葉がいたるところに出る。《「今回の安藤政権も、総理本人の健康上に問題がない限り長期政権は間違い無い状況だからな。‥‥小山内さんにもその目が回ってくる可能性があるわけだ‥‥」「いや、あのひとはそれを望んではいないだろう。官房長官で終わる人ではないが、総理を目指す人ではない。彼自身が一番己を知っているように思えるな」》(102-103p)《今、小山内を外して内閣を見ることはできない。そこに官僚出身者と世襲議員たちの羨望とやっかみがあるのも事実だ。小山内が権力を手中にし、霞が関の人事に積極的に介入し始めると、霞ヶ関が政治を動かすという官僚の思い上がりは、もはや政府に対する恐れに変わってくる」》(228p)《総理も小山内があそこまでやるとは思っていなかっただろうな。家の内が安泰なだけに自分で外交ができる‥‥というわけだ」「それは誰しもが感じていることだな。小山内という男、なかなかの者だが、奴の本音が今ひとつわからん。まさか、突発のワンポイントリリーフを狙っているわけではなかろうが‥‥」「しかし、総理に万が一のことがあった時の本物のナンバーツーが育っていないのだ」》(229p)
それはそれとして、この本で展開されている内閣官房長官・小山内和博の政策論議に興味を惹かれた。著者は菅官房長官の考えをよく理解した上で書いたのだと思う。今回発表された自民党総裁候補・菅義偉の選挙政策が一朝一夕のものではないことがわかる。つぎにそこのところをじっくり見てみたい。(つづく)
 

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