「青苧」が「ニベア」にリンクした! [青苧]
遅れ遅れになっている荘内銀行ふるさと創造基金の報告書づくりをしていて、青苧の学名がBoehmeria nivea Gaudichと知り、「nivea」の文字を見てハッとした。すぐ「花王ニベア」のトップに居たことがある3歳年上の義弟に電話した。「なんで花王がニベア?」答えは、「花王がドイツのバイヤスドルフ社とジョイントベンチャーを組んだのが50年ぐらい前。バイヤスドルフ社の看板商品がニベアクリームだった。ニベアのもともとの意味については・・・うーん」。早速「バイヤスドルフ社」と「ニベア」で検索して見つけたのが→「ニベア」が50年で圧倒的な地位を築けた理由https://toyokeizai.net/articles/-/316901?page=3。ここ
にこうあった。《「NIVEA(ニベア)」はラテン語で“snow-white”(雪のように白い)という意味。純白のクリームがブランド名を象徴する。》! ちょうど報告書に《「青苧(あおそ)」は、草の状態では一般に「からむし(苧 )」とよばれ、 紵(お)、苧麻(ちょま)、山紵(やまお)、真麻(まお)も同じものです。削ぎたての青苧が青白い輝きを放つように見えることから、茎からとった繊維を「青苧」とよぶようになり、草の段階を指しても「青苧」というようになっています。》と書いたところだった。「青苧」が「ニベア」にリンクした! 私には大発見でした。
『牧野・新日本植物図鑑』に《一名マオは真麻で、真正の麻という意味である。》とあったのもうれしい。
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以下は、報告書の「まえがき」です。
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以来30数年、青苧への取組みは、南陽市を代表する文化施設「夕鶴の里」という副産物を生みはしたものの、当初の目論見は達成されないまま、南陽市の青苧の命脈は尽きようとしていました。
そうした中、昨年、荘内銀行ふるさと創造資金を得て、「青苧フェスティバル」を5年ぶりのに開催、多くの人々の関心を集めることに成功しました。さらに今年は、再び荘内銀行ふるさと創造資金を得て、青苧栽培から製品化までの実体験にチャレンジしました。なんとかこれまでの蓄積を次代に伝えようとしたのです。
チャレンジは1年では不十分でした。今回は、収穫から製品化手前までを一通りなぞったにすぎません。ただ、なぞってみることで見えてきたものは大きいです。製品化へ向けて、「削ぎ」のための挽き台と「織り」に必須の織機も新たにそろえました。とにかく第一歩を踏み出すことができました。
コロナ以前とコロナ以後では世界は大きく変わります。何よりも「経済第一主義」の見直しが始まります。青苧復興を妨げたのは「採算性」という壁でした。その壁が取り払われた時、青苧は息を吹き返します。青苧は、「刈り」「剥(は)ぎ」「削(そ)ぎ」「績(う)み」「紡(つむ)ぎ」「織り」、やる気になればその工程、すべてひとりでできてしまいます。一つの仕事に集中して「もの」をつくりあげる、しかもその材料は、この辺の里山でもすぐ手に入るありふれたものです。「経済第一主義」から解放されたこれからの世の中、青苧がほんとうに輝き出すのはこれからです。
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